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2017年05月20日

∀ガンダムとジェンダー

ググってみたところ、めぼしい文章がなかったので、久方ぶりに投稿してみる。しかし、キーボードのない、iPadからなので、いろいろご容赦願いたい。
∀ガンダムについて、まず説明するとするならば、1999年に放送された、久方ぶりの「富野ガンダム」であった。ガンダムというと、財団Bのドル箱コンテンツなので、初代のガンダムから手を離れ、様々な監督が、ガンダムという名のアニメを製作している。当時だと、OVAでの「ポケットの中の戦争」「スターダストメモリーズ」「MS小隊」
テレビ版ならウィングあたりであろうか。
全て、富野ソウルを受け継いでいるとはいえ、本人ではない。そこに、御大登場満を辞して。といった風合いであった。

アニメ論として語るのであれば、MSのデザインなど、特記すべきことにキリがないが、私が至らないながらも、カタチにしたいのは「ジェンダー論」である。
故に、ここら辺はバッサリと切らせていただく。
思い切りよく

さて、性には三種類あるという。体の生まれつきの性別。こころの性別。そして表現の性別があると聞く。表現の性というのは聞きなれないが、私も荒い理解になってしまうのだが、例えば、私自身「心に小学校低学年の男子を飼っている」と表現するように、特撮や、ロボアニメが殊の外大好きであり(しかも、ロボアニメは、メカギミックなども好ましくみている)時折、一人称が「僕」とすんなり出てくるあたり(ここの定義は難しいのだが、いわゆる、オタクのボクっ娘宣言というよりも、性一人称の混乱で出てきてるように感じるのだ)つまり、私自身の表現の性というものは、やや男性よりとも言えなくもない。
ただ、私はとてもフェミニンな服装を主にしているし、そこらへんも難しい。それに、ロボアニメと、特撮が好き。というカテゴリー自体が、そもそもジェンダーーー社会的な性役割ーーとも言える。

さて、話を∀ガンダムに戻そう。
主人公はロランという少年だが、当時あまり、関連書籍を購入していないため、不確かで大変申し訳ないのだが、監督は当初、両生具有的なキャラを想定していたらしい。彼を、女性と扱いたがる人間は「ローラ」と呼び、男性として扱いたがる人間は「ロラン」と呼ぶ、と初期設定のどこかに書いてあった記憶がある。
無論、この設定は少年としてのロランに引き継がれ、グエンは最後まで「ローラ」と呼ぶことを辞めはしない。たとえ本人から「僕はロランです! 」と、宣言されようと(この宣言は、グエンとの決別を意味しているが、それ以外にも、彼のジェンダーアイデンティティの宣言であるとも取れる)
また、ロランは貴婦人修行の会で、女装をすることになるが、彼の関心は女装ではなく、憧れていた、キエルとの一緒に過ごせる時間に向いている(次回予告参照)つまり、女性を演じることに抵抗のない少年、と言えるのではないかと思う。(この回以外でも、彼はもう一度女装を披露することになる)
もちろん、早計に判断を下すことはできないが、この彼のジェンダーというものは、現在でいうXジェンダー(クロスジェンダー)にとても親和性を感じる。
そうすると、割と何もかも、ストンと収まりがいいのだ。
「なんだ男か」と、名前から女性であることを勘違いされ、殴りかかったカミーユとは、えらい違いである。カミーユは、名前が女性的であるという思いが、彼を、過剰な男性性に走らせていたということもあるが。

さて、ジェンダー論の凝縮されているのは、最終話「黄金の秋」である。
グエンと、リリのやりとりである
「ロランは男の子です。そんなに愛しているのなら、あなたがスカートをお履きになれば? 」
「スカートで産業革命を起こすには、まだ時間がかかります」
の一連のやりとり。スカートはもちろん、ジェンダーとしての女性の象徴である。
大変興味深いのは、リリ嬢が「アメリアは私がおさめますわ。スカートを履いたままでね」とグエンに宣言した通りに、彼女は政治家の娘という立場と、彼女自身の政治的手腕により、アメリアで、スカートのまま、産業革命と統治をおそらくもたらしてあるであろう、と読み取れる描写になっているところである。

つまり、おそらくではあるが、グエンは、時代性とその中での役割としてのジェンダーを見誤っているのだ。

∀ガンダムの女性は、おしなべて、しなやかながら、逞しい。
フランは、新聞記者としての地位を確立し、夫を専業主夫として(繰り返すが99年の作品である)子供を産んでもなお、仕事に生きている。
それはおそらく、あくまで予想の範囲をでないが、リリ嬢のスカートによる政策も背景にあるのかもしれない。

もう一点。気になる監督の記述があった。
うろ覚えで大変申し訳ないのだが「ロランは、ディアナを敬愛もしていたし、キエルに憧れてもいたし、ソシエを愛おしんでもいました」
これは、複数の人間を、同時に愛せる「ポリアモリー」という、セクシャルマイノリティーにあたるのではないかと。(厳密に言えば、ポリアモリーと言うのはライフスタイルではあるが)
最終回での、ソシエへのキスシーンから、ロランの表情を読み解くことは困難だが、おそらく、何らかの想いがあり、彼女との別離を惜しんだからこそ、口付けたのだと考えられる。

さて、論としてはとっちらかっているし、まとまりも無いので大変恐縮ではあるが、ここら辺で筆を置こうと思う。
この文章が、不完全であるからこそ、もっと完成度の高いジェンダー論がでてくることを、私は願ってやまない。



posted by みるとん at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

シンデレラについての、超個人的見解

コレを果たして「ブックレビュー」のカテゴリーで紹介して良いものか迷うのですが、他にカテゴリーもないので、このまま進めてみます。

以前どっかで書いたかもしれないのですが、シンデレラという話は、こち亀でも「あれは美人だったから成り立つ話だ」と言われて、ネット拡散されて久しいですが、私はもう一つ仮説を付け加えたい。
「アレは、成功を約束された魔女の英雄譚」であると。

まずは、シンデレラには2バージョンあり、ディズニーでお馴染みの「シャルル・ペロー」が収集編纂したものと、グリム兄弟が、収集編纂したものです。

馴染みのないグリム兄弟版から、少し説明しましょう。
彼女に、舞踏会のドレスを与えるのは「父親が行商から帰るとき、一番初めに頭に当たったサンザシの枝」であります。彼女はそれを実母の墓に接ぎ木し、大切に育て、その結果その枝にドレスやら金の靴が現れるのです。
サンザシの枝というのは、魔術や妖精ととても近しく、相性の良い植物であり、魔術の杖の原材料ともなりえます。ここで、シンデレラ自身が、非常に魔術に近しい存在であるということが示唆されます。

ペロー版ですと、ディズニーでもおなじみの「フェアリーゴッドマザー」が、力を貸してくれ、ドレスやガラスの靴、馬車を用意してくれます。
しかし、このゴッドマザーという単語。実は日本人にはなじみがないですが「名付け親」という意味を持っているのです。妖精から名前という魂を表す言葉を与えられた娘。これは、本当に魔術や妖精の側に近いと言って良いと思います。
キリスト教においての妖精の解釈は、日本の妖怪にも近く「堕天はしたものの、地獄に落ちるほど罪を背負っていない天使」というのが一般的なイメージでした。(今は知りませんが)

つまり、シンデレラという存在はその美貌によって、成功を約束されただけでなく、魔術、および妖精というアンチキリスト的な強力なバックアップがあってこそ、成功した物語。巴いるのです。

私の個人的なシンデレラの解釈は、ですから「魔女による国取り物語」というのが、最も近しいイメージです。
posted by みるとん at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ブックレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月27日

背徳症候群展告知

また、放置気味ですみません。
7月1日から6日まで新宿にある眼科画廊さんにて「背徳症候群展」参加させていただきます!
画廊さんの開いてる時間は12時から20時までとなっておりますー。どうかよろしくお願いします。

背徳と一口に言っても、いろんな形があるわけで………難しいなぁと思いつつ作品を作っておりました。
今回は、先輩と共同出展で「cat nip」名義として出ております。初ユニットですが、先輩の作るアクセサリーも大変素敵ですので、併せてお楽しみいただけると大変に幸い。

それから、7月第1週月曜からは、おなじみになりました、アモーレ銀座様にて、サロン展「酷と喜」が開催されます。こちらも頑張らねば……

というわけで、ちまちま活動しております。Twitterの方では、わりと活発なんですけどねぇほんとすいませんです……。
posted by みるとん at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

やばいです

めっきりパソコンも開くなった昨今。皆様いかがお過ごしですか?←
ツイッターやってると、そちらの告知がメインになって、ブログが超おろそかになって申し訳ないです。てゆーかいまさら見てる人いるんか。

まずお礼から。今年もベラドンナアート展無事終了いたしました。(終了かよ、と突っ込んではイケマセン)
今年は、何人ものお客様が来てくださり、大変楽しい展示となりました。恐れ入りますありがとうございます。

さて、今後の予定。
現在は、銀座一丁目奥野ビル5Fアモーレ銀座さまにて、サロン展「愛と夢」展示中でございます。
第一期が終わり、来週から、後期が始まります。前期はクッソ暗い絵を出しましたが、後期はきれいな?絵を目指しました。というわけで、安心してお寄りになってください←

さて。近々ですけど。5月10日に、磯貝さん(@yuji_isogai)さんと、コチラ→https://t.co/YYSFfzv0Qlで、お互いの宣伝をかねた、絵についてのツイキャスをやらせていただきます。まあ、割と無軌道に絵のことについて語っていくと思います。(内容ぜんぜん決めてない)
みるとんの経歴とか、磯貝さんが聞きたがってるっぽいので、聞けちゃうと思いますよ!(ぶん投げ)

あとは、夏コミに向けて水タバコ(シーシャ)についての、電子書籍を執筆中です。まだどんなもんになるかわかりませんが、いつものサークルさんが受かっていたら、購入できるQRコードでも配布しようかと。
あと、夏コミは「ゼーガペイン10周年記念アンソロジー」にゲストさせていただく予定です。これも現在執筆中。

まあ、そんなこんなでよろしくお願いいたします。しかしブログ放置しすぎて吸いません。パソコン立ち上がる速度が遅くて、やんなっちゃうんすよ…長文はキーボードじゃないときついし…(完全に個人的な理由)

あ、スカイプチャットくらいなら、ipadでできるようになりました←

こんなみるとんですが、今後ともよろしくお願いいたします。もう少しパソコンと仲良くならねば……
posted by みるとん at 14:01| Comment(0) | TrackBack(0) | シーシャエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月04日

今後の展示予定など

どうも。ツイッターのアカウントをしばらく破壊してました←
その間に、タンブラーの方も、更新しましたので、よろしければ、ご覧ください。

PC戻ってきて、やっとブログ打ち込んでます。何やってるんだか……。

というわけで、ざっくり今後の展示スケジュールなど。

銀座奥野ビル「アモーレ銀座」さまにて。サロン展「媚薬と妖」
3/7〜20まで(途中作品入れ替えアリ。日曜日です)

それから、今年も受かりました。ベラドンナアート展!
4/19〜22まで。みるとんは、20日水曜日在廊予定です。
ベラドンナが受かったので、プチ・ベラドンナにも出展します。
4/4〜22までです。出すのは旧作品となりそうです。

それから、7/1〜6まで、新宿眼科画廊さまにて「背徳症候群展」に出させていただきます。
その前に、5月にサロン展がありますが……。
「背徳〜」の方は、旧作の手直しと、旧作品の展示予定です。

あといま、審査待ちの常設展示もありますー。審査通ったら、お知らせいたします。

よろしくご贔屓にお願いいたします。

(GPMいつこうしんできるやらー……)
posted by みるとん at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

すみません!

元気にはなりましたが、パソがクラッシュ中で、更新できません!とりあえず、ご報告までー
posted by みるとん at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

くだらねぇなぁ

タイトルは自分の人生です。
最近は、ただ死んでないだけな気がします。
このブログも、どれだけの人が見てるかわからないし、やめる気はないけど、人生をやめる気は、満々にあります。

父も母も、ネットのこういうのは、疎い人なので、まじめに死亡通告どうしたらいいかな?とかとも考えましたが、まあ、私の生存にそんなに、興味持ってる人も居ないかなーとは。

そんな感じです。
posted by みるとん at 00:44| Comment(2) | TrackBack(0) | BPD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月31日

C89お礼

コミックマーケット三日目ただいま戦場さなかですが、とっと一日目で離脱しましたみるとんからお送りします。

毎回のように「ギセイ社」さまに、ゲスト寄稿させていただき、売り子も手伝わせていただきました。
今回、セールストークをしてて思ったのが「ああ、売るモンがなきゃ、セールストークにならねぇな」ってことです。ないものを売るって言うのは詐欺なわけです。
その点! このサークルには「売るモン」(同人誌という意味でなく)がちゃんとしっかり沢山あるな、と思った次第でございます。

次回も「ギセイ社」よろしくね!!

今回は、相互フォローの方とお会いできたり、あたらしく友達になれた、コミケットスタッフさんから、飲み物差し入れていただいたり。個人的には、とても充実してました。充実しすぎて、ハイテンションにスイッチはいって、コミケあとのツイッターのつぶやきはなんかもう痛いオタク感満載です←

@mirutone でやってますので、よろしければ、ドゾ

来年としては、ゼーガペイン10周年記念アンソロジーに、一応お声かけいただけたので、イラストでも。とは思っております。シマミナだいすきー。という想いを込めて、寄稿できたらと。

あとは、ぼちぼち、自分の展示の活動を頑張るって言うのが、来年の抱負かなー。
シーシャ本出すのかな。わたし。←
posted by みるとん at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月26日

寂しさを誤魔化す薬がほしいんだ

お布団の中から更新です。スマートもしもし素晴らしい。文明の力。

でも、追記機能はないみたいですね。残念。


さて、どS瀬戸口後日談更新です。
さほど下劣にならなかったけどもーーもー。なんか、さらさらと、とんでもないこと言い出しよりやがったなー。みたいな。

そんな感じです

ではドゾー






 その店は、歓楽街の一角にひっそりと、隠れるように存在している。似たコンセプトの店は、この歓楽街に点在しているが、SMを謳う店は数多いが、縛りに特化だけしている店。というのは、実はさほどない。だから、この店は、どちらかと言うと、隠れ家のように、ひっそりと、しかし確実に存在しているのだ。

「いらっしゃ……おや、久しぶりですね。瀬戸口君」
 店主である善行は入ってきた長身の青年に声をかける。一見ホストめいた彼は、歓楽街を歩いていても雰囲気は目立たないだろうが、それを凌いで目立つほどに、整った容姿をしている。ただ、整っているだけではない。知的な雰囲気もある。実際、大手会社でそこそこの地位についている彼は、頭も悪くない。容姿と、頭と、財力と。この三つがそろえば、女はほいほいと寄ってくる。実際彼は、何人もの「ペット」と呼ばれる女性を囲っていた――が、それも過去の話である。
「やー。久しぶり。参った参った」
 そういいながら、慣れた様子で外套をぬぎ、ハンガーにかける。
「どこに行っても、話題の主役になる気分はどうですか」
 カウンターに背を向け、お通しの準備をしながら、善行は瀬戸口に声をかける。多頭主義だった瀬戸口が、一気にペットを「放出」してしまったこと。それが、一人の女性との出会いによるものだと言うこと。もはや、界隈のちょっとした伝説となりかねない。
「やだよぉー。俺え。確かにペットのみんなには、無責任だったと思うけどさ」
 やれやれといった調子で、瀬戸口はカウンターにうつぶせる。
「それだけ、重大なことしたってことだよ。瀬戸口もっと自覚しなよ」
 声をかけたのは、先客だった速水厚志である。彼の容姿はどこかしら華奢で、しなやかな柳を思わせるが、実はパートナーへの責めは、結構ハードであると評判である。他の人間にパートナーとのプレイを事細かに話すことは、基本ない人間ではあるが、パートナーである芝村舞が、時々こぼすことと身体に残る痕が物語っていたし、ましてや、縛りに関しては、講習会などで、そのハードさを垣間見せている。
「正直、そんなにいいんだ。……未央ちゃん、だっけ」
 厚志が記憶を手繰り寄せながら、瀬戸口を独占した愛玩者のことを口にする。その名前を聞いた瞬間、瀬戸口の垂れ目はよりいっそう下げられ、でれでれとしまりのない顔つきになる。その顔を見て、厚志はああ、末期だなぁと一人胸の内で思う。
「瀬戸口君は、なに飲みますか?」
 淡々と、店主はそう問う。
「んー。とりあえずビールー」
 突っ伏した背戸口の脇に、ビールがそそぎ置かれ、ようやく身を起こして、それをあおる。
 厚志はそれを横目で見ながら、二杯目である焼酎のロックをちびりとなめ、多頭主義だった瀬戸口がここまで変わってしまうということはどういうことなんだろうかとは思う。元々、厚志自身は多頭に興味はなく、舞一人がいればいいのだが、瀬戸口は違ったわけなのだから。
「厚志、未央はいいぞ。……絶対やらないが」
 どっかのアニメ映画を観た人みたいになってると、一人厚志は心の中だけで突っ込む。
「いらないよ。ぼく舞だけでいいもん」
「ああ、そういや、お前さんは他のモンに興味とかないんだったな」
「ないよ。舞一人で良い。舞の限界が見たい」
 優しげな声で、恐ろしいことをさらりと口にする。
「あ、同意が取れないことは絶対しないよ。あと、命に関わることも」
「当たり前ですよ。何のためのパートナーシップだと思ってるんですか」
 過激な台詞に、思わず善行がたしなめる。もしかしたら、この三人の中では一番の常識人かもしれない。
「首とかもさ。気をつけないと危ないよね」
 厚志の台詞に過激さが増す。
「あれは、寝ているところに体重をかけるからいけないんです。指二本で軽く頚動脈を圧迫して、ぼうっとする感じを楽しむものですから」
 善行は、さすがにこの手の店の店主である。彼自身が、店の営業の合間を縫って、様々なところに赴き、情報を収集しているだけはある。
「ああーそうだね。わかる。気をつけないと」
 SMは、危険をともなうものであることは事実だ。苦痛を快楽に変換するものなのだから。だが、殺人はあらゆる意味で禁じ手である。
「気をつけてくださいよ。速水君」
「当たり前じゃない。舞のいない世界なんて、生きてても意味ないし」
 その点は、この青年もハッキリしている。ただ、時折責めが過剰になりがちなだけで。穏やかに見えて、苛烈な性格なのは、他の二人も熟知するところだ。
「ぜんぎょーさぁん。おれ、自宅に吊りどころ作っちゃった」
 瀬戸口が、デレデレとしたまま、口にしたが、これは完全にのろけである。
「マンション、賃貸じゃないんでしたっけ」
「そうよ。俺、分譲」
 この店にも、店の性格上「吊れる」場所は設けてある。しかし、人一人の荷重を支え、ましてや様々な動きに耐えられるとなると、柱の拡張が結構大変なこととなる。ブランコか、ハンモックを室内に設けるというと、イメージしやすいかもしれない。
「吊りに耐えられるようになったんですね」
 未央との初対面の時は、それこそ、初めて縛られる状態だったと記憶している。それがまあ……成長したものだ。逆説的に、何もかもはじめてだからこそ「仕込み」がいがあったのかも知れないとも思えるが。
「善行さんは、リバだったよな」
 瀬戸口の言葉に「ええ」とだけ鷹揚に善行はうなずく。リバとは、その名の通り、SにもMにもなるということである。
「素子はね……ちょっとスイッチが面倒ですけどね」
 眉をしかめ、パートナーへの愚痴とも言えぬ様な、愚痴をくちにしつつ、瀬戸口に用意したお通しをだす。
「へー。スイッチなんてあるんだ?」
 厚志が興味を持ったらしい。プライベートなことなので、いささか抵抗もあるが、二人はこの店の常連だし、旧知の中でもある。
「ありますね」
と、眼鏡のつるを押し上げながら、善行は答える。
「面白いといえば、面白いですね。こちらを責めてる最中に、切り替わることとかありますし」
「あはは。素子さんらしいー」
「そういう時どうするの?」
 笑ったのは厚志で、質問したのは瀬戸口だ。
「いや……まあ、基本付き合いますよ」
「女王様だなあ」
 腕組みをしながら、そんな感想を瀬戸口が漏らした。たしかに、SMにおいて、主導権を握っているのは基本Sではあるのだが、それは「どう責めるか」という主導権であって「プレイの場」においての主導権となると、じつはMではないかとすら思う。未央が言外に、視線や態度で哀願する様はこちらの情欲に火をつける。そうするともう、鶏と卵のような議論となってしまう。
「うーん。やっぱりぼく、リバは無理かなー。舞のことすっごい好きだけど、責められるとかやっぱやだ」
 勝手なものである。だが、人にやられて嫌なことをしてはいけません。という教育的指導は、SMプレイの場において、あまり意味はなさない。
「速水君のところは、それで不満がお互いでないなら良いんじゃないですか?」
 至極まっとうなことを善行が言う。そう。つまるところそういう訳にしかならない。
「あー、でも、舞が同意してくれれば、責め方わからなくて、おろおろしてるのを観るのは楽しそう」
「新しい境地の開拓だな」
 厚志の意見に瀬戸口がまぜっかえす。
「そうだね。舞が嫌がらなければ」
 答えた厚志の声色からは、本音は探りようがない。本気でそのプレイを試すのか、試さないのか。そこらへんはほぼ密室で行われる秘め事であるから。
「未央ちゃんは?」
 どうなの?と言わんばかりに厚志が問う。
「まあ、徐々に徐々にですよ」
 そういって、瀬戸口は再び杯をあおり、グラスを完全に空にした。後にはビールの泡だけが残る。
「それは、仕込みがいがあるってこと?」
 酔のためか、ほんのりと目元を赤くしつつ、厚志が問うた。いささかタガが緩んでるらしい。
「ま、否定はしないさ。飲み込みも良いんでね」
 苦笑まじりーーと言った体で瀬戸口が答えた。
「だろうね。素質ありそうだったし」
 ちびり、と、また厚志の焼酎が飲み込まれる。
「素質ーーか。まあ、素質だけなら、他のペットの子でも、ある子はいたよ」
 突然始まった瀬戸口の独白に善行すら、手を止めて、厚志とともに二人して聞き入る。
「たぶん、俺の心の深い所に、突き刺さったんだろうな」
「なにが?」
 発せられた問は、どちらのものだったか。
「壬生屋未央って、存在がさ」
 真面目な顔でーー実際本人は大真面目なのだろうがーーかませられた盛大な惚気に、残る二人は、苦笑せざるを得なかった。


善行さんは、リバだよなーと思うんです。というか、素子さんが、責と受け手の落差が激しそう……みたいな。
それ考えると、善行さんは、ノーマル寄りだったのが、素子さんに付き合って、ここまで来たのかも。すげー根性。

あっちゃんは、もう、涙目で頑張る舞が好きなんだと思います←
それから、あっちゃんは、自分で試してみて、これなら頑張れるよね!とか平気でいいそう。駄目だって。

気が向いたらもう少し書くかも。
posted by みるとん at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コネタSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月25日

諸人こぞりて!

むかーえまーつれー。
前回の更新で、てっきり、今年ラストかと思っていたら、まさかまさかのクリスマス更新。
そしてなぜか、ネタがドS瀬戸口という題名と言う最低ぶり。いいよね。性夜だし!←

じつは三日月ハルヰさんのこちらのサイト(http://www.h7.dion.ne.jp/~haru54/)に、ドM瀬戸口というカテゴリがあり、実にそれがすばらしく爆笑できる出来だったので「瀬戸口をSにしてみたらどうなんだろう」と思ってひねり出したネタです。

これむしろ、後日譚を早く書きたいなあ……とか思いつつ書いてましたけども。
最近、淫嬢展の作品にしろなんにしろ、縄モチーフって大好きです。テヘペロ。

あんまり未央たんが、貞淑じゃないと自分で突っ込みいれてますから、キャラ崩壊させたくないひとごちうい。

そういうわけで、皆様メリークリスマスです。
続きを読む
posted by みるとん at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | コネタSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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